2016年9月23日,群馬県にある JR 土合駅に行ってきました。
ついでに群馬県のいくつかの鉄道に乗ってきました。それらの事について(1)土合駅とは,(2)土合駅までの行程,(3)土合駅内部について,(4)それから都内に戻るまでの行程,に分けて写真・動画を中心に振り返ります。最後はまとめです。
(1) 土合駅とは
土合駅は「日本一のもぐら駅」と自ら称しており,下り線が地下深くにあります(上り線は地上)。複線化の際に下り線をトンネルで作った際に駅もその中に作ったということのようです。
自分がこの駅を知ったのは,「クライマーズ・ハイ」という NHK のドラマの冒頭部で佐藤浩市が土合駅に降り立ったシーンでしょうか。ドラマはこの後谷川岳の衝立岩を登りますが,そのように谷川岳に登る登山家が利用する駅としても使われてきたようです。また時刻表にも「土合駅は改札口から下りホームまで約10分かかります。」という注意書きがあって,結構気になっていました。
最近では Twitter で土合駅に行ったというつぶやきを見たりして,近い内に行ってみようと思い,4連休 (9/22~9/25) のうち1日を使って行くこととしました。
なお,土合駅に行く観光列車として,「やまどりもぐら」等が運転されているのは知っていましたが,予定が合わなかったのと,あんまり人が行かないようなシチュエーションで行く方がよいかなと思い,敢えて(シルバーウィークの谷間ですが一応)平日の早朝の定期列車で訪れました。
(2) 土合駅まで
まず 6:36 赤羽発~8:16 高崎着の高崎線 (→熱海始発らしいので上野東京ラインと言うべきなのだろうか) に乗車。
実際には南北線で王子まで行き,王子で土合までの切符を買って乗車しました。
実は切符を買う時に少し焦りました。というのはある程度高い切符を買う場合,自動券売機では買えないため,窓口で購入する…というのは知っていたのですが王子駅のみどりの窓口はまだ開いていませんでした(><)。
ちょっと困ったのですが結局,指定席券売機で購入できました。
王子発 6:27 の京浜東北線に乗車。結構ギリギリでした。王子には若干早めに行っておいてよかった
高崎線では専門書を読んだりして時間をつぶしました。朝早いのに結構混んでいて驚きました。大宮から先は常に席が埋まり立っている人がいる状況でした。学生・生徒も当然多いですし大人も結構多かった。
そして高崎に到着。高崎からは 8:24 発の上越線に乗りました。
この列車は113系でした。今となっては珍しい。個人的には去年,横川~高崎で乗って以来だと思います。
ただ,全く古さを感じさせません。事実,ボックスシートのシートや枕?が新品のようで,割と最近改装したのでしょうか。
この113系で水上まで。この上越線は途中,沼田を通ります。『真田丸』ブームのおかげなのか,沼田で降りた乗客が結構いました。
ちなみに自分は歴史には基本疎いので,沼田といえば将棋の藤井九段の出身地としてずっと認識していたくらいでした。
水上に到着して,長岡行きに乗り換えます。ホームを渡る必要がありましたが乗り換え時間に余裕はあります。
なお,水上~越後湯沢の区間は定期列車の本数がきわめて少なく,入念に調べてくる必要があります。年々減ってきたのだと思いますが今回の時点では1日たった5本でした(汗)。今回は 9:47 の列車に乗りましたがその後は4時間後になります…。
さて,この長岡行きですが,妙に綺麗な車両で驚きました。調べてみると E129系という,2014年12月に運転開始された最新鋭車両でした。東京でいつも乗るE233系が中央線に導入されたのも2006年12月らしいので,まだまだ新しいと思う訳ですが実は結構経っていますね。それを考えるとE129系の新しさが分かります。
しかし高崎~水上という比較的主要な路線は113系で,水上~という1日に5本しかないような区間に最新車両が使われているというのもちょっと滑稽ではあります(笑)。
ただ土合まで2駅なのであんまり乗ってられませんでした。残念。
(3) 土合駅
という訳でついに土合駅に到着しました。
土合から出発する列車の動画です。これはE129系だとちょっと新しすぎて合いませんな(汗)。113系だと非常に似合っていたと思います。
ホームは電車が去ると全く無音,辛うじて地下水の流れる音と風がたまに鳴る程度になります。また非常にひんやりとしています。無機質な壁もあってゲームのダンジョンのようです。そしてホームから出ようとすると,長い階段が聳え立ちます。
ここも雰囲気が分かるように動画にしてあります。なんか RPG に出てきそうな感じです。
頑張って上りきると,「ようこそ土合駅へ」のアーチがあります。
ここを過ぎてさらに100メートルくらい歩くとようやく改札のある駅舎に到着します。但し無人駅なので誰もいません。
そして外へ。
さて,これで土合駅に来てみるという目的を達したわけですが,既に述べた通りこの駅を通る区間は1日に5本しか列車がなく,途中で降りたということはほぼ詰んでいるということになります(汗)。降りたのが 9:56 ですが次の上りは 12:30 までありません。帰れません。
たださすがにそこは下調べはしてあって,谷川岳ロープウェイから水上駅までのバスがあり,それが土合駅も通ることが分かっていました。それとて本数は少ないのですが,(バス停の時刻表は撮っていませんが) 関越交通のサイトにあるように 10:28 または 11:13 土合発というのがあります。
外に出たのが10:15 位だったと思いますが,すぐ乗って水上に戻るのも何か勿体ない気がしたし,そもそも水上からの接続する電車がなくて結局 11:13 のバスに乗っても先は同じだと分かっていました。そのため,せっかくなので谷川岳ロープウェイまで歩いて行ってみることにしました。
何となくロープウェイに乗ってこの上まで行ってみたい衝動にもかられましたが,そんな山歩きの準備もしていないので断念(体力に自信はありますが)。「くるみゆべし」を買って暫く休んでバスで水上に帰りました。
(4) その後
土合駅に行ってみるという目的は達成しましたが,同じルートを帰るのも勿体無いのでちょっと変わった帰り方をしてみることにしました。
まず,水上から上越線で新前橋まで戻り,両毛線に乗り換えて前橋へ。
そして前橋から歩いて上毛電気鉄道の中央前橋に。そのまま電車に乗りました。10年位前に前橋に来た時にもここを見たのですが,すごいボロい駅舎だった印象がありますが,随分きれいになりました。
上毛電鉄に乗ったのは初めて(のはず)。東京の私鉄のお下がりの車両でしょうか。
上毛電鉄では赤城で下車。赤城では東武桐生線と接続しています。赤城から30分以上待って,特急「りょうもう」に乗る予定でいましたが,太田まで各駅停車で行けば太田市発の「りょうもう」があることに駅の時刻表を見て気付き,発車間際に慌てて乗車。
そして太田から「りょうもう」に乗車。この日の旅で初の有料特急。やっぱり快適でぐうぐう眠ってしまいました。
それと関係ないですが伊勢崎線の館林以西は単線なんですね。ちょっと意外でした(太田~伊勢崎が単線なのは分かりますが足利市辺りも単線なんだなと)。
そして終点の浅草まで乗車して,浅草から蔵前まで歩いて大江戸線に乗って帰り終了となりました。
(5) 終わりに
本記事では,土合駅に行ったことと,その後の適当な?群馬の乗り鉄旅について書きました。
土合駅は期待通りの非日常的な,神秘的な場所でした。正直列車の本数が少なすぎるし,谷川岳には水上からのバス等もあるので駅としての利便性が疑問すぎますが,あの区間を廃線にすることは相当有り得ない気がするので今後もマニアックな「観光名所」としてロングテール的に存在し続けて欲しいと思います。
また復路は上毛電鉄と東武鉄道に乗ったのも面白かったです。群馬といえばまずは高崎辺りまで JR で行くとしか普通は連想しないと思いますが,北千住辺りから「りょうもう」に乗って赤城で上毛電鉄に乗って前橋に行く,という行き方もかなりオツな感じで楽しそうです。
反省点としては,運賃・料金が結構高くついてしまったことで,青春18きっぷがあればと思いました(1日当たり2,370円なので土合行きだけで元が取れた。但し5回分綴りなので難しい)。また「ぐんまワンデー世界遺産パス」(リンクは PDF) という群馬県内のJR・私鉄が乗り放題のフリー乗車券があり,今回の自分の為にあるような切符で知っていれば当然使うべきでした(残念ながら知ったのは土合から水上に戻った後)。
尤も今回は交通費については湯水の如く使うという方針だったので後悔はありません。
しかしこれだけの行程でありながら,浅草に着いたのは16時半くらい。113系やE129系にも出逢え,なんか得した気分の1日でした。